悦子は大学4年生。就職はもう決まっているが、この物理の試験に受からなければ卒業できない。3回目の挑戦だ。
試験問題を見て、悦子は安心した。昨日勉強した内容だ。問3は、台車を一定の力で押したときに進む距離を求める問題。「答えは数字のみで記入すること」と書いてある。
計算を終えて、悦子は手を止めた。答えは出たが、80なのか、0.8なのか、800なのか、どれも正しそうに思える。(質問したいけど、あの教授は厳しいし……)
そのとき、後ろの席の優等生・遠野君が手を挙げた。「先生、質問があります」(そう、それよ!私も聞きたかった!)
ところが、教授の答えはこうだった。「君ぃ、それは、この試験の出来次第に決まっているだろう」
悦子は首をかしげた。遠野君は、教授とは別のことを聞いていたのだ。
遠野君が尋ねたことを、一言で答えてください。(漢字2文字)
行き詰まったら、一つずつ開封してください。
悦子が迷っていたのは、80・0.8・800という数字の違いです。この違いは、何が変わると生まれるでしょう。
遠野君の質問と、教授の答えは、噛み合っていません。
「単位」という言葉には、いくつの意味があるでしょうか。
答えを考えたら、ファイルを開いて確認しましょう。
単位
答えは「単位」です。
遠野君は、問題の「答えの単位」を尋ねました。80cm、0.8m、800mmは同じ長さなので、数字だけを書くには、単位を決める必要があるのです。
ところが教授は、「単位」を、授業の成績に関する「単位」と聞き違え、「この試験の出来次第だ」と答えました。同じ言葉が、二人の間で別の意味になっていたのです。
悦子の視点で読むと、迷いの原因である「数字の書き方」より、教授の返事のほうに意識が行きます。同じ言葉が二つの意味を持つという発想が、浮かびにくいのです。
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