社内に「来月、支店が閉鎖される」という噂が流れた。課長は、噂の出どころを探るため、六人に聞き取りをした。
状況記録
課長の私は、社内に流れた噂に頭を悩ませていた。「来月、うちの支店は閉鎖される」というのだ。根も葉もない話なのに、誰かが広めている。
私は、部署の六人を一人ずつ、月曜から土曜まで一日一人ずつ呼び、同じ二つの質問をした。「①この噂を聞いたことがあるか ②いつ、誰から聞いたか」。六人の答えは、図の面談記録のとおりだ。
私は途中から、噂を広めたのは、誰かの口が軽いせいだと確信していた。
噂を最初に広めたのは、誰でしょう?
証拠品
噂の内容「来月、うちの支店は閉鎖される」。根拠はない。 面談記録(月〜土)六人に、同じ二つの質問をした記録。 E-3
課長のメモ「誰かの口が軽いせいだ」と確信していた。
現場図面
図面
時系列
- 森に面談。「何の話ですか?初耳です」
- 石川に面談。「昨日の夜、森さんが話していた」
- 田代に面談。「今朝、石川さんが話しているのを聞いた」
- 吉野に面談。「みんな知っている」
- 松岡に面談。「聞いていません」
- 酒井に面談。「今週に入って急に広まった」
ヒント
行き詰まったら、一つずつ開封してください。
ヒント1を開封する
最初に面談した人は、噂を知っていましたか?
ヒント2を開封する
噂が生まれた時期と、面談が始まった時期を比べてみてください。
ヒント3を開封する
松岡さんは、誰からも聞いていないのに、いつ噂を知ったのでしょう。
推理する
真相に最も近いものを選んでください。
解決真相
課長(私)
答えは「課長(私)」です。
最初に面談した森は、噂を知りませんでした。それなのに翌日以降の面談では、「昨日森さんから聞いた」「みんな知っている」と、噂がどんどん広がっています。つまり、噂は、森への質問をきっかけに生まれたのです。
私が、噂の内容を一人ずつ具体的に尋ねたことで、聞かれた人がそれを知ってしまい、誰かに話しました。松岡は誰にも聞かず、面談で私の質問から、初めて噂を知ったのでしょう。
聞き取りという行動そのものが、噂を広めていたのです。
推理ポイント
- 最初の面談の時点で、誰も噂を知らなかったかを確かめる
- 面談の順番と、噂が広がる順番を重ねる
- 聞き取りをした側が、情報源になり得ると考える
なぜ騙されるのか
「誰かが悪意で流した」という前提で、六人の中に犯人を探してしまいます。調べる側の行動が、状況を変えてしまうという視点が抜けています。
類似トリック
- 調査する側が事態を動かしてしまうタイプ
- 時系列の表から、因果関係を読み解く推理
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